羽生善治〜決断力

印象的な言葉が一杯でした。以下、一部紹介。
追い詰められた場所にこそ、大きな飛躍があるのだ。
駒がぶつかったあとからは争点がはっきりとするのである意味、考えやすい。(中略)勝負どころはもっと前にあるのだ。
「キスで行け」、つまり、簡単に、単純に考えることは、複雑な局面に立ち向かったり、物事を推し進めるときの合い言葉になると思う。※KISS:keep it simple stupid
知識を「知恵」にする。
父は、外資系の会社に勤めるエンジニアであったが、「仕事にゆき詰まったときは整理整頓」というのが口癖だった。
将棋にかぎらず、知らないフィールドで戦うほうが面白いのではないか。
常に前進を目指さないと、そこでストップし、後退が始まってしまう。
日頃から実力を磨き、周りからの信用を勝ち取ることは、物事を推し進めるために大切なことだと考えている。
経験によって考える材料が増えると、逆に、迷ったり、心配したり、怖いという気持ちが働き、思考の迷路にはまってしまう。
直感の七割は正しい。
ぎりぎりの勝負で力を発揮できる決め手は、この大局観と感性のバランスだ。
対戦の中で、相手にいろいろ引き出してもらうことも多い。
決断とリスクはワンセットである。
誰もが怖くて「できなかった」分野で画期的な何かが起こる可能性がある。
常識を疑うことから、新しい考え方やアイデアが生まれる。
これ以上集中すると「もう元に戻れなくなってしまうのでは」と、ゾッとするような恐怖感に襲われることもある。


興味のないことには集中できない。
生活の中でぼんやりすることは大切だ。
すでに過ぎ去ったことは仕方ない。(中略)極力、前向きな気持ちを保ちたい。
最後の形を事前に頭の中に想定してしまう。(中略)仮定した最後の局面に橋を渡すように組み立てる。
山ほどある情報から自分に必要な情報を得るには、「選ぶ」より「いかに捨てるか」のほうが重要なのである。
文献に書いてあることはすでに常識である。(中略)自分で手を動かすことが知識に血肉を通わせることになる。
(加藤一二三が同じ食事を注文し続けることを引き合いに)同じことを貫くには、非常に強い意志と精神力が必要だろう。


(新手の探索において)何回か続けていけば、そのうちうまくいくだろう。
真剣に向かい合い、理解し合おうという気持ちから、お互いの心が通じ合い、現状打破の道も見えてくると、私は思っている。
一人で考えるか、それとも何人かの人が集まって知恵を出し合うか、どちらがより有効かは、非常に面白いテーマだ。私は、基本的には一人で考えなくてはいけないと思っている。
毎日、少しずつ続けることが大切だ。
教えられる側の依存度が高くなってしまうと問題である。(中略)本人がどういう姿勢で教わるかが大事だと思っている。


決断力 (角川oneテーマ21)

決断力 (角川oneテーマ21)