絶対計算

今回はこんな本を読んでいます。(まだ1/3しか読めてないです)

その数学が戦略を決める

その数学が戦略を決める

途中なので間違っているかもしれませんが、感じたことが2つあり

  • 本書では回帰分析と無作為抽出による統計的な手法が紹介されているが、絶対計算の範疇?
  • 統計的な手法が人間になじむのかどうか

といったことについて少し書きます。

絶対計算に対する私の勝手なイメージ

私の思っていた絶対計算というのは、
チェスや将棋の手順をしらみつぶしに当たって、
最終的には完全解の導出を目指すといったような、
もともとあるルールを決められたものの範囲内で全てを調べ尽くす、
というものです。
しかし本書では、主に回帰分析と無作為抽出を例に出しています。
確かに回帰分析は過去に蓄積された膨大なデータを処理し尽くすので、
絶対計算に近いのかもしれませんが、全ての場合を尽くすわけではありませんし、
無作為抽出は一部のサンプルしか見ていません。

統計の母集団が大きくなって、絶対計算に近づくと??

無作為抽出によって有意な差が認められることがあったとして、
それを全世界に展開するとどうなるでしょうか。
あくまでも統計的な手法ですから、ある確率で外れた行動をする人が出ます。
それに私のような天邪鬼な人間が多いので、行動が予想外な人が想定より高確率でしょう。
というわけで人間の行動に対しての絶対計算は永遠に無理かな、と思います。

統計手法での切り捨ての問題

統計手法は全てを調べ尽くすわけではないので、そこから漏れてしまう人がいます。
本書でも取り上げられていますが、例えば貧困対策の無作為抽出が行われたときに、
たまたま対象になった人は良いですが、対象外の人はサンプルですから全く何もしてもらえないわけです。
調査期間がどれくらいかにもよりますが、少なくともその間は差別されているわけです。
こういったことが明るみになってきたときに果たして人々がどう思うか。

勝手なまとめ

途中までしか読まずにまとめるのはどうかと思いますが、
絶対計算について語る本書は、逆にその限界も露呈するのでしょう。
私が思うに、こういった考え方は広まらない内は有効ですが、
広まってしまうとみんなが同じになるので神通力が落ちてしまいます。
他の人を出し抜くことが勝利の近道なわけです。
残り2/3を楽しみにして読んでみます。